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学習言語を使った実際のコミュニケーションに焦点を当て、実地で使用できるコミュニケーション能力を向上させるのに適している語学教育手法であるコミュニカティブ・アプローチですが、実施上は陥りやすい問題点も有ります。

 

コミュニカティブ・アプローチの実施上、問題点となりやすいのが、学習者→教師の間でのみ成立するレベルのコミュニケーションが、他の学習者にも正しいと受け入れられてしまう可能性が有ることです。わかりやすく言うと、ある学習者が語彙力や文法理解の不十分な文章で教師に何かを伝えたとして、教師はそれを理解できますし、何が間違っているかもわかっていますが、同レベルの学習者では何が間違っているのかわからないままその文章を採用してしまう危険性があるということです。もしくは、十分な背景知識を有し、母語からの影響による誤謬や、学習者にありがちな間違いを逆算して「相手が何を言いたいか汲み取れる」能力が高い教師しか理解出来ないレベルの会話でも「素晴らしい会話」になってしまう可能性が有ります。

 

これを防ぐため、教師は周りの学習者も理解できる発言にのみ理解を示すことや、発言に理解を示しつつも、より正しい用法の文章を例示するなどの気遣いが必要になります。

 

コミュニケーションという非常に流動的なものを主軸にするため、効果的なコミュニカティブ・アプローチの実施においては、教師にかなり高い質が求められるというのも、この教育手法の難しい点だと言えるかも知れません。